昨年、ちょうど世界がコロナ禍に突入した年に、私たちの幼稚園は創立45周年を迎えました。この節目に向けて「幼稚園の本」を準備してきたのですが、一年遅れてようやく出版に至りました。
私たちの幼稚園は、私の祖母・内海暢子によって創立され、母・高橋弘子の代に日本でシュタイナー教育を導入する最初の私立幼稚園となりました。私が園長を引き継いでからは、「シュタイナー幼稚園」という名称を掲げることはせず、地域に密着した「普通の幼稚園」として活動してきました。しかし、そのエッセンスにおいては、創立者の理念、シュタイナー思想への取り組み、日本舞踊を中心とする「日本文化」への理解を結び、独自の保育を模索してきました。本書は、園長である私が全体の著者となっていますが、副園長やクラス担任をはじめ、教職員への聞き取り、花柳和先生へのインタビューなど、幼稚園の「声」が聞こえる本になっているのではないかと思っています。
現在、全国的な少子化の流れの中で、私たちの幼稚園も非常に厳しい経営状況にあります。こういうときだからこそ、一人でも多くの方に本書を手にとっていただき、私たちがこの「那須みふじ幼稚園」で行ってきたこと、そして今、未来に向けて目指していることを知っていただきたいと考えています。
以下の注文フォームにて申し込みいただければ、幼稚園よりお送りいたします。
1冊2,500円(送料1冊350円、2冊以上は実費)
同封の明細書に記載された指定口座に頒価と送料をお振り込みください。
本書は出版社(水声社)のブログで「試し読み」ができます。
http://www.suiseisha.net/blog/?p=15263
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那須みふじ幼稚園のあゆみ
日本で最初にシュタイナー教育をとりいれた那須みふじ幼稚園の45年をふりかえり、その地の環境・文化にシュタイナー教育がどのように作用していくのか、そしてこれからの幼児教育のあり方を、教諭へのインタビュー、年間行事、日々のカリキュラム等をとおして考察する。
【目次】
はじめに
第一章 みふじの保育
一 教諭たちの言葉から
二 事務と環境整備
第二章 私たちが目指していること――“環境”と“主体性”をどう捉えるか
一 環境
二 主体性
第三章 みふじの“カリキュラム”
一 手本と模倣
二 縦割り保育と社会性
三 感覚への豊かな刺激
四 自発的な運動
五 創造性の源としての想像力
六 リズム
七 個を育てる伝統文化と宗教性
第四章 シュタイナー教育から“みふじ”の保育へ
一 進化と目的
二 教育=自然選択
三 保育とは何か
四 養護と教育
五 養護=地水火風、教育=知情意
六 シュタイナー教育の「三重の私」
第五章 花柳和先生に聞く
註
付録
あとがき